一点を見つめる私。


「リン様、前を。」


ダヴィが指摘するが謎だらけだ。

私の右手を繋ぐのはロイの左手だ。

何故か手を繋いでいる。


「あら、仲睦まじいのね。」


ミシェルの言葉にも軽く挨拶をするロイ。

自分の右手を見つめる私など気にしてないようだ。

並んで座る私達の手は離されない。


「リン、渡さないのか?」

「あっ、うん。」


これを渡す為に訪れたのに、すっかり気持ちが他所に行っていた。

スウィートポテトを渡せば、目を輝かせるミシェルに私も嬉しくなる。


「リン、美味しいわ。ありがとう。」

「ミシェルさんには本当に助けて頂きました。そのお礼です。」

「リンに秘書を頼んで良かったわ。本当に助かってるのよ。」

「ありがとうございます。」


そう言って貰えて嬉しい。


「ロイも見つけたのね。」

「はい。」


何を見つけたの?

2人の会話も謎だ。