目覚めたら契約花嫁

ふと黒猫のマークが!


「ん?」


カップに描かれた黒猫を食い入るように見た。


「ん?」


今度は皿にも描かれている。

視線を上げて店内を見渡してみた。


「ん?」


このカフェのモチーフなのか?

黒猫の置物、カフェのロゴにも黒猫が描かれている。

私は何かに導かれるように、席を立ち上がり、レジにいる店員に話しかけた。


「私を雇ってください。」


深く頭を下げた。

固まる店員。

当たり前の反応かな。


「ぜひ働きたいのですが。」


静まり返るカフェに頭を上げられない。

こんなお願いをする人は過去に誰もいないだろう。

戸惑っているのが伝わる。


「お願いします。私を働かせてください。」