目覚めたら契約花嫁

「ロイ様は30歳でございます。私はロイ様の幼馴染で同じ歳です。」

「そうなんだ。二人とも落ち着いてる訳だね。」


30歳か。

それはお見合いの話が山程来る筈だ。


「失礼ですが、リン様は?」

「24。ねぇ、ダヴィ、24で一人ぼっちの私を助けてくれない?」


ちょっと甘えた声を出してみたが………。


「無理でございます。これはリン様が決めた事ですから。」

「………ロイの命令は絶対なのね。」


嫌味ぐらい言わせてよ。


「………そうですね。」


思った以上にダヴィの声が小さく聞こえ、思わず謝ってしまった。


「ごめん、言い過ぎたね。」

「いえ。」


気まずい空気が流れる。

街を歩く女性を見ていれば、目の前を歩く学生らしき集団が気になった。