「仕事?」

「ロイ、私も仕事をする。」

「必要ない。リン、レアード家当主の婚約者なんだ。仕事は必要ない。」


だから私はロイに交渉する。

囲われて生活するのは嫌だ。

日本で過ごしたように、ここシャノワールでも同じように生活をしたいのだ。

渋るロイ。

そして向けられたロイの眉間には皺が寄っている。


「リン、足を出しすぎだ。胸元も………。」

「これが私。レアード家のルールは知らないけど、これが私なの。」

「………わかった。ただ………リン、君はレアード家の婚約者だ。人前では品のある格好をしてくれ。」

「だったら仕事をさせて。」

「………。」


渋るロイ。

ここで怯むわけにはいかない。

ここで生きていくしかないのだから。


「ロイ、仕事をさせて。」