街のショーウィンドウを覗く。

マネキンが着ている服に思わず漏れた言葉にダヴィが反応した。


「可愛い。」

「これですか?」

「うん。本当はスカート派よりパンツ派なんだよね。」

「………そうですか。」


ダヴィの反応は良くない。

そう言えば、お金を持っていない事に気付いた。

ショーウィンドウのマネキンを見つめる。

自分で欲しい服も買えない現実に落ち込む。


「リン様?」


心配顔のダヴィに首を振り、笑みを浮かべた。


「何でもない。行こうか。」

「宜しいのですか?」

「うん。ダヴィ、私も仕事したいな。」


ふと漏れた言葉。

好きな服も買えない自分が情けない。


「仕事したいな。」


小さく呟いた。