キョロキョロと見渡しながら歩く私を見つめる視線に顔を上げた。


「ダヴィ、何ですか?」

「いえ。前から思ってましたが、リン様はモデルのような容姿ですね。」

「………ありがとう。それはダヴィやロイにも言えるわね。」

「ははっ、ありがとうございます。」


軽くお辞儀をするダヴィは170㎝はある私より15㎝は背が高い。勿論、ロイもダヴィと同じぐらい高い。

モデル………。

長身の上、オッドアイの私は注目されていたが、モデルのような華やな世界には飛び込めなかった。


「リン様?お疲れですか?」


ダヴィの声にハッと我に返った。

きっと暗い顔をしていたのだろう。

心配顔のダヴィと目が合い、私は微笑み返した。


「何でもないよ。」