ズキズキと体が痛い。

なんだか包み込まれている感覚がする。


「………。」


目を開ければ、窓から明るい日差しが差し込んでいる。

朝?

体を起こしてみるがズキズキと痛む。


「リン、起きたか?」


聞こえてきてた声に隣を見れば、ロイが私の隣で寝ていたらしい。


「体は平気か?転んで擦り傷が出来てる。」

「擦り傷?」

「痛むか?」

「少しだけ。」


擦り傷………。

それで体がズキズキするのか。

ふとロイが私を抱き締めてきた。


「リン、俺の前から消えるなよ。」

「ロイ?」

「絶対に消えるな。」

「うん。」


何で震えてる?


「ユートが消えた。」

「えっ?」

「信じられないが………後ろにいたユートが消えた。雷が落ちて………いなくなった。」

「………嘘。」

「本当だ。」


目の前にロイの顔を近づく。

触れるキス。


「リン、結婚しよう。契約ではなく、本物の花嫁として。」

「ロイ。」

「結婚式もする。俺の愛する花嫁をお披露目したい。リン、返事は?」

「はい。私もロイを愛してます。」


やっと言えた。


「明日はチャペルを見に行く。」

「うん。」

「それと………絶対一人で海に行くな。絶対俺と行くんだ。約束だ。」

「はい。」


私にとってスコールは天敵となるだろう。

この先ずっと………。


「リン、一生幸せにする。だから隣にいてくれ。」

「ロイも隣にいてね、この先ずっと。」


私は目を閉じた。

それを合図に甘いキスが落ちてくる。

私はシャノワールで幸せになる。


ユート………幸せを願ってる。


fin