悩む私に降ってきたのはユートの笑い声。

思わず顔を上げた。


「あのさ、リンは帰らないでしょ?だって運命の人だって宣言してたし。」

「私は日本人だよ?元の場所に帰らなくていいの?」

「いいんじゃない?リンにとっての幸せはシャノワールにある訳だし。」

「そういうもの?」

「帰りたい人は帰る。リンはレアードさんと幸せになればいい。」


そうなのかな?


「次世代のエバンズ夫人。まだまだ新商品は出せるでしょ?ここは日本ではなく、シャノワールだから。」


彼はスイートポテトを知ってる。

あれは日本人の私だから作れた商品だという事を。


「頑張ってよ、リンはシャノワールで。」

「ユートは?」

「俺は探す。絶対に日本に帰りたいから。」


ユートの決意は固い。

ユートの家族は待ってるだろうか?

彼の帰りを待っていてくれるのだろうか?


「リン、余計な心配はいらない。俺は家族を信じてるから。」

「そっか。」

「リンもレアードさんを信じてるでしょ?」

「………うん。」


少し考えたが、ロイなら信じられる。

ユートもこんな気持ちなのかも。