そんな和やかな雰囲気が切り裂かれる。

もちろん、彼女によって………


「2人だけを幸せになんてさせない!」


叫んだ彼女の声は震えていた。

皆んなの視線が向けられる。

緊張が走る。


「一緒に堕ちなさい!ロイ!」

「エミリー?」

「私も幸せになりたい。誰もが憧れる幸せを手に入れたいの。」


エミリーの震える声。

泣いてる?

彼女は泣いてるの?


「私だって幸せになりたいの………。」


泣き崩れた彼女を見つめた。

誰も近づこうともしない。

エミリーの心が泣いてる?


「運命………。」


私の呟きが漏れた。

意を決して、もう一度言葉にした。


「『運命』って存在すると思う。」

「運命?そんなのは現実じゃない。」


エミリーが反論するが、私はロイとの出逢いは運命だと思っている。

もう一度呟く。


「『運命』って存在すると思う。だから………エミリーの相手も必ず見つかると思う。私とロイのように………。」


幸せは人それぞれだ。


私にとっての幸せは………

ロイと一緒にいること