「リンさんと2人だけで話をさせて頂きたい。」

「リンと?」

「2人だけで。」

「駄目だ。」


ロイが即答するが、記者も予想通りだったのか追撃に入る。


「このピンチを助けなくて良いのですか?」

「………。」

「レアードさん、勘違いしないでください。リンさんに触れたりは絶対にしないですよ。ただ2人だけで話をしたいだけです。」


ロイは渋っているが、このピンチを救えるのは彼だけかもしれないのだ。

そんなチャンスを逃せる?

話をするだけなら………


「いいわ。2人だけで話をする。だけど場所は見通しの良い場所にして。」

「リンさんまで警戒しないで。さっきの海辺でどうですか?」

「いいわ。ロイ、それで納得してくれる?」


私と記者の話を黙って聞いていたロイを見上げる。

振り返ったロイと視線が交わる。


「ロイ、お願い。」

「………わかった。」


ロイが渋々了承した。