「ロイ、私を愛してくれてる?」

「………急にどうした?」


思い出したのは『ロイと結婚する』と決めた日の事だ。


『結婚するなら、愛のある結婚を』


そんな約束を提案した。

ロイは覚えてる?


「俺はリンを愛してる。」


甘い囁きと共に髪にキスを落とすロイ。


「リンは?」

「私も好きだよ。」

「愛してないのか?」


クスリと笑って、私を揶揄うロイ。


「俺は愛してる。リンは?」

「………愛してるか………。」

「リン?」


ロイの不審な声が聞こえてきた。

目を閉じて、小さく深呼吸をして心を落ち着かせる。

いつも通りにしなくては………


「ううん。ロイ、ご飯でも食べる?」


いつも通りの明るい声を出して、ロイから離れて立ち上がった。