ロイが隣に座る気配を感じれば、肩に回された腕が私を抱き寄せた。


「リン、どうした?」


いつも通りのロイ。


「起きたら、リンの姿が見えないから探した。」

「ごめん。折角だから散歩したくて。」

「俺も起こして。」

「ロイ、ぐっすり寝てたから。」

「起こしてくれて構わないけど。」


いつも通りに話せただろうか?

ロイの態度はいつも通りで、優しい口調、私と一緒に過ごしたいと伝わってくる。


「今日は風が強いな。」

「うん、波が凄いね。」

「リン、そんな格好で寒くないか?」

「大丈夫だよ。」


腕に力を籠めたロイが私を引き寄せれば、ロイの胸に凭れる形になった。

側から見れば、甘々なカップルだろうが………。

私の心は昨日までとは違っていた。