「リン!」


背後から聞こえてきた大きな声に振り返れば、息を切らせて近づいてくるロイが目に入る。


「リン!」


もう一度、ロイの大きな声が響いた。

そんなロイをじっと見つめた。

近づいてくるロイの表情が一変した。眉間に皺を寄せたのだ。


「リン?」


明らかに声色が変わった。

私はどんな顔をしてるのだろうか?

ロイから視線を逸らして海を眺めた。


「リン、どうかしたか?」


私の隣に立つロイを見れないでいた。


『リンが寝たら』


明らかに、私に知られたくないのが分かる。


『密会』


元彼女との密会………


『何も知らない私を騙してるの?』


そんな悲観的な考えが頭を過ぎってしまう。