ぐるぐると回る言葉。


「私はそれを調べてるんです。レアードさんに最近変わった事は?例えば………いつもより帰りが遅いとか?夜中に出掛けたりとか?」


帰りが遅い………それは仕事だと言っていた。

夜中?

私とロイは別々に寝ている。

夜中の行動なんて知らない。

私は本当に婚約者なの?


「リンさん?大丈夫ですか?」


目の前の男性の声にハッとする。

動揺なんて絶対に見せられない。


「ロイはいつも通りですよ。ただの友達の可能性だってありますから。」

「へぇー、意外に心が強いんですね。」


一度大きく深呼吸して男性を見据える。

心を落ち着かせる。


「記事を楽しみにしておいてくださいね、リンさん。」


それだけ言うと背を向けて歩き出した男性。

ぎゅっと唇を噛み締め、心を落ち着かせる。


『リンが寝てからだな』


ロイの言葉が私の心に重くのし掛かった。

何が真実?

ロイへの信頼が揺るぎ始めた。


『契約の花嫁だ』


それが真実なの?


『本物の花嫁』


こっちが真実?

ロイの心が分からなくなり始めた。