「香織と先輩が先に仲良くなったんだよ。もともとうちの会社は香織の働いてた会社に貿易関連を全て委託してたから。事務にかわいい子がいるってよく話してた。」

「へっ、へぇー…」

私じゃない私なのに照れる。

「当時の先輩は付き合ってる子がいたから香織のことを紹介してって俺が頼んだんだよ。合コンっぽく夏川も連れて。香織も友達連れてきてて、可愛かったよ。茶髪でパーマかけてふわふわしてた。ピンクの頬にかぶりつきたくなるような!」

「悪かったわね、どうせぽちゃぽちゃだったわよ!」

私はわざと頬を膨らまし怒ってみせる。
そんな私を優しく微笑んで見ているから調子が狂う。
確かに私にも髪を染めてパーマをかけてた時があったなぁ。

「ハハハッ、本当に可愛かったよ。先輩なんて彼女と別れて告白しようかなって言い出して慌てて俺が告白したんだ!随分長いこと憎まれ口たたかれてたよ。」

田邉さんは遠くを見ながら優しい顔をしていた。