有希が怒ってくれるのが申し訳なくて…自分のしたことや、旦那のことを信用できないこと、稗田さんに惹かれてることを話した。

「稗田さんかぁ~。あの爽やかイケメンから弱ってるときに優しくされるとねぇ~。しかもなぜか香織ちゃんって呼んでるし!そりゃ惹かれるわよ!私この前駅でたまたま会ったのよ。『香織ちゃん元気ですか?』ってきかれたから曖昧に返したらいろいろ知ってそうで正直に連絡があまり取れないって言っちゃったんだよね…」

そうだ、有希に会ったから連絡したって言ってた。

「本当にごめん…迷惑ばっかりかけて…」

「え~!私が困ってたら香織も助けてくれたじゃない?お互い様だよ!うちからかすみんも学校通えるし翔太喜ぶし、うちにおいでよ。」

有希の三男の翔太くんは娘とクラスは違うけど同級生で同じ小学校だ。
もう甘えちゃおうかな…

「うん。何日かだけでもお願いします。家事は私がさせてもらいます。」

「なに言ってるのよ!分担よ!フフッさぁ、荷物まとめて!」

ずっと逃げるわけにはいかないけど少しだけ逃げ出そう。
でも私が家を開けるとなると気がかりなことが結構あった…
とりあえず冷蔵庫の腐りそうなものを持って、洗濯は回して乾燥機にかけた。
その間に有希も一旦私の荷物を持って家に帰った。
私は娘が帰ってきてから行く予定にした。