何かいいのないかなー

私は家で古い書物を見ていた

勇斗から連絡が入る

‘莉奈、学祭なんだけど何か考えてる?’

‘ううんまだ’

‘俺と一緒に造らないか?’

‘何か思い付いたの?いいよ’

‘じゃあ明日会って’

‘りょーかい’

次の日
大型バイクに乗って莉奈の家にやって来た

「どうぞ、上がって」

莉奈は勇斗を母が開いている書道部屋に案内する

「お邪魔します」

「勇斗、いらっしゃい」

「こんにちは」

莉奈の母に挨拶する

勇斗とママは顔見知りだ

私と勇斗は小学生の時に同じクラブチームでバドミントンをしていた

同じ学年は二人だけだったのですぐ仲良くなり毎週土曜日には会っていた

スイミングも同じところに通っていて私は金曜日、勇斗は水曜日だったが勇斗が振替をした時には同じ時間帯に泳いでいた

書道も会いはしなかったもののお互い同じ流派で展覧会では作品を見ることができた

なんかいつも勇斗とは少しズレてるんだよね

小学校も隣の小学校だったし

「で?」

母親の言葉に我にかえった莉奈


そうだ学祭のこと

「あの、これを書いてみたいと」

勇斗は照れくさそうに母親に差し出す