だから何も言い返せなくなる。
この前みたいに、意地の悪い顔をして。
余裕たっぷりの表情で。
私を抱いてくれれば私だってまだ“自分”を保てるけれど。
「ずっと俺のそばでこうして啼いとけよ。
そしたら守ってやれるから」
「何言って……あっ」
下着越しに触れてくる彼の手が、私の思考を狂わせる。
最初はただなぞるように。
それからだんだんと刺激を与えられていく。
止められない。
だんだんと押し寄せてくる“気持ちがいい”という感情には抗えないのだ。
蝕まれていく。
雪夜という男に。
侵されていく。
その危険な色に───
「ひとりでどこにも行くな、この世界から足洗え。
その苦しさから必ず救ってやるから」
「あんた、がっ……んん」
咄嗟に口を閉じる。
私が話そうとすれば、彼の指の動きは大胆になるから。
彼が一方的に話し、私が言い返そうとすればこうして強い刺激を与え喋らせてくれない。
相変わらず理不尽な男だ。
私の親を殺した雪夜が、私の苦しさを救う?
意味がわからない。
もうすでに私が復讐したい理由をわかっているくせに。
まるで自分は殺してないとでもいうような言い方をして。
もし本当にそうならはっきり否定すればいいものの。
それをされないから本当だと思うのだ。



