でも確かに、あの女の子は芯が強いと思った。
まだ全然彼女のことをわかっていないというのに。
「素敵なふたりなんだね」
少し素っ気ない言い方になってしまったけれど、別にふたりが妬ましいと思ったわけではない。
けれどそんな風に想い合えるふたりに対して、素直に羨ましいと思った。
「まあ、あそこは特殊だな。白野守るためにあいつ、刺されるわ拳銃で二発撃たれるわで、まじ命懸けだったから」
「……え」
驚きのあまり、うまく言葉が出なかった。
あの女の子を守るためにそこまでするの?
刺されたり拳銃で二発撃たれると、さすがに軽傷では済まないはずだ。
「その分今はあんなうざいくらい幸せそうでイチャイチャラブラブしてるけど」
見てるこっちが暑苦しいと突っ込む彼。
「……へぇ」
「俺たちには考えられねぇな?」
「何、私だっていつかそういう相手見つけてやるから」
ムキになって言い返してしまったけれど、そんなの絶対に不可能だ。
こんな私を受け入れてくれる男などいないだろうし、私自身男という人物を好きになったことはない。
だってここ数年間はずっと、復讐したいという気持ちでいっぱいだったから。



