「悪い、こいつ俺の女」
耳に届いたのは聞き慣れた雪夜の声で。
体が痛むため無駄な抵抗ができない私は、大人しく雪夜に後ろから抱きしめられる状態でいることにした。
「へ……」
そんな雪夜の言葉を聞き、女の子が涙を止めた。
ようやく誤解が解けたようだ。
「……その子、涼雅の彼女だったんだね。
それは悪いことしたな」
雪夜の言葉に驚いた様子の男は、もう私に冷たい瞳を向けることはなく。
むしろ申し訳なさそうな顔をして謝ってきた。
「ごめんね、さっきは疑うようなことして」
けれど私は先ほどの圧が忘れられず、思わず肩がビクッと跳ねてしまう。
「大丈夫、あいつは味方である限りいいやつだから」
「……何が」
「怖いんだろ?」
簡単に私の心を言い当ててしまう雪夜。
悔しいけどその通りで何も言い返せない。
正直、今もまだ目の前の男に恐れている自分がいて。
必死に恐怖心をかき消そうとしていると───
「涼雅くんの、彼女…?」
泣き止んだ女の子が、今度は目を輝かせてパタパタと私の目の前までやってきた。
「涼雅くんの、彼女さんですかっ……」
女の私でもキュンとしてしまうほど、目の前の彼女はかわいさであふれていて。
純粋さがあふれている彼女に手を伸ばし、思わず雪夜から離れて抱きしめてしまう。



