*
目が覚めると私はベッドの上にいた。
それも見ず知らずの部屋、ベッドの上で。
急いで起き上がると体がズキズキ痛み、そこで完全に頭が冴えた私は思い出した。
男に暴力を振るわれ、襲われそうになったところを雪夜が助けてくれたんだって。
ただそれ以降の記憶がない。
殴られた部分は手当てされており、傷がひどく血が出ていた部分にはガーゼと包帯が巻かれていた。
「……なんで、だろ」
いまだに不思議だ。
雪夜が私を助けた意味があまりよくわからない。
ただ抱きたいから助けるというのも考え難い。
雪夜ならありえなくもないが。
助けてくれた後は本当に優しくて、彼に抱きしめられたまま私は意識を手放したようだ。
変な人。
雪夜がどういう人間なのか、未だに掴めない。
「……それに、しても」
ここはどこだろうか。
大きく余裕のある部屋だったけれど、勉強机やクローゼットなどがあり生活感があった。
つまりおそらくこの部屋は、誰かが使っている。



