「へぇ、珍しいな」
「ただ純粋にパーティーを楽しみたいのですが…」


チラッとパーティー会場の中央に視線を向け、男女が欲に溺れる姿を視界に入れる。



「どうやら無理みたいですね」

眉を下げて笑ってみせると、彼はどこか楽しそうに笑った。


「……おかしなやつだな」
「それは失礼じゃありませんか?」


上から目線の彼に、やはり私は苛立ちしかない。

だってこいつが、今お皿を持っているその手で両親の命を奪ったのだ。


だから今度は私の番。
ここは絶対に引けない。


「俺は自分より強い人間しか敬うつもりねぇから」



自信に満ち溢れているその言い方。
まるで自分より強い人間はいないとでも言いたいのか。


許さない、人を何だと思っているんだ。
人の命を何だと───



「それほど自分に自信があるのでしょうね」
「……は?」


予定変更。

今すぐにでも喧嘩を売って、この会場を後にして。
彼とふたりきりになろうと思った。


一刻も早くこの手で消したい。