危険な愛に侵されて。





そして片付けを終えた後、部屋に戻ったのだけれど───


「……は?あんた何待ってんの」
「どうせならふたりで食べたほうがいいだろ?」


なんと雪夜は先に食べておらず、私を待っている様子だった。

お腹が空きすぎて死にそうじゃなかったのかと思いながらも、彼なりの優しさなのかと思い腰をおろす。


「律儀なんだね」

「作ってもらったのに、先食べるのはどうかと普通は思うけどな」


いちいち“普通は”などの余計なことを言ってくる彼。
だから余計にイラッとしてしまうのだ。

とりあえず今日は我慢だと思い、オムライスを口に運ぶけれど。


睡眠薬でも入れておけばよかったかなと今更後悔する自分もいた。



だって目の前の男は仮にも殺人犯。
それなのに、こうして悠々と生きている。

神様はどうしてそんな彼を生かしているのだろうと。


一度そのことを考えてしまえば、今日このまま逃していいのだろうかと考えてしまい。

ふつふつと湧き上がってくるのは憎しみの心。


きっとどれだけ相手が優しくて、律儀な人間だったとしても。

欲に負けて流されたとしても。


“両親を殺めた”という事実がある限り、私は何度でも彼に殺意を抱くだろう。