「今はこうしてたい気分」
この前は女が寄ってきても興味を示さず、平然とご飯を食べていたくせに。
自分勝手な人。
「……少しでも邪魔したら殴るから」
「ん、わかった」
本当に邪魔をしてきたら、肘でみぞおちを狙ってやろうと思ったけれど。
雪夜はオムライスが出来上がるまでおとなしく私に抱きついていた。
「はい、片付けるから先食べてて」
卵をチキンライスの上に乗せ、完成したところで雪夜は私から離れる。
オムライスを差し出せば、心なしか嬉しそうに目を輝かせているように見える。
「あんた、意外とお子様口?」
「わかんねぇけど、お前の作ったやつって言うのが嬉しい」
「……あっそ」
わざと喜ばせたいのか知らないけれど、こんなことで喜ぶほど単純な人間ではない。
むしろその逆で警戒してしまう。
何か裏があるんじゃないかと。
雪夜にオムライスとスプーン2人分を運んでもらい、部屋に戻ってもらった。
それからキッチンでひとり、片付けをするけれど。
「……何してんの、私」
考えればおかしいことだ。
復讐相手と事を済ませた後に、ご飯を作るだなんて。
一応無理矢理作らされたのだと思い込むことにする。



