「服着るっつったろ」
私を睨むように見てくる彼の頬は、意外にもほんのり赤みを帯びており。
「……もしかして、尽くされることに慣れてないの?」
そのウブに近い反応に、思わず笑ってしまう。
なるほど。
どうやら雪夜は自分が攻めるばかりで、攻められることを知らない人間らしい。
「うるせぇ」
「ね、攻められるって気持ちいいよ?」
雪夜の手首をそっと掴み、誘ってみる。
彼の弱みを見つけた。
おそらく一度、攻められることの快楽を覚えれば───
私が勝てる“希望の光”へと化す。
その時ようやく私に復讐心が戻ってきた。
「慣れてるから結構得意」
相手を満足させるのは得意である。
一応今までに失敗したことはない。
「……お前は俺だけにやられて啼いとけばいいんだよ」
けれど彼は私の誘いには乗らず、キスを落としてきた。
納得のいかない答えで不服の私に、彼は笑いかける。
「なあ、腹減ったから飯」
「……はぁ?」
「飯食ってから帰る」
「誰があんたなんかに作るか」
もし作るとしたら今この家にある睡眠薬いっぱい入れてやる。



