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事を終えると、ぐったりとベッドに横になる私と雪夜。
お互い疲れ切って、けれどそれ以上に気持ちがよく。
なんとも言い難い感情だった。
今この時は彼に復讐心を抱くことなく、ただただ余韻に浸っていた。
この間だってそう。
意志の弱い私はこんなにも簡単に欲に負けてしまったのだ。
ちらっと横目に雪夜の姿を捉える。
黒目がちなその瞳は天井をじっと眺めており、どこか影がさしているようにも見えた。
「……あー、結構疲れた」
かと思うと今度は上体を起こす彼。
自由気ままな人間だな。
そう思い、なんとなく彼の背中を横になった状態で見た瞬間───
全身が恐怖で震え上がるかのように、ゾクっとした。
咄嗟に手で口元を覆う。
だって彼の背中一面には───
強さを誇る虎が堂々と描かれており、和をイメージした刺青が入れられていた。
瞬時に“ただ者ではない”と頭が理解する。
「あんた、いったい何者…」
秋崎さんに写真を見せられただけで、私は彼のことをまったく調べようとしなかったから。
背中に彫られてある刺青を見て、初めて“彼”という人間に興味を抱く。



