「返してっ…」
「バカか、返すわけねぇだろ」
手を伸ばす私をかわし、拳銃の弾を取り外す動作を始めた。
あっという間に弾全てが彼の手の平に取り出され、使い用のない拳銃は彼の鞄の中へと直される。
用意周到な男。
あらかじめ危険を察知しているのだ。
「女がこんな危ねぇもん持って」
「……っうるさい」
自分の鞄の中に手を入れ、ポーチからナイフを取り出そうとする。
拳銃はもともと音が響くため、最終手段だと思っていたから別にいい。
目の前の男さえ消すことができれば───
「はい、危険な真似はやめような」
まるで子供を落ち着かせるような話し方をし、立ち上がって私の腕を掴んだ彼。
「離して…」
「離したら俺の命が危ないだろ?」
「離して!!」
力いっぱい振りほどこうとするけれど、まったく敵わないのが悔しい。
「あー、うるせぇ。
隣の部屋に聞こえたらどうすんだ」
「別にいい、あんたさえ消せたらそれで…んっ」
まだ話している途中だったけれど、唇を塞ぐようにして強引に重ね合わされる。



