「ここ、電車だけど?」
「うるさい、あんたのみぞ殴るまでは喋るな」
「相変わらず暴力女だよな」
「最高の褒め言葉をどうも」
簡単に男に負けてたまるかと思うけれど、雪夜は私をいとも簡単に上回る。
今だって私の手首を掴み、楽しそうに笑っているだけ。
「本当に面白いな。楽しませてくれる」
「これからもっとたくさん楽しませてあげるからね」
失敗しようが何度でも命の危機に晒してやる。
どれだけ抱かれようが、私はくたばらない。
諦めないんだから。
「そういうところ、嫌いじゃねぇよ」
ニヤリと笑って、私から離れた雪夜。
その笑みはどこか危ないと思ってしまい、ゾクッとしてしまう。
まるで囚われたようだ。
標的にでもなったかのような。
そんなはずはないのに。
むしろ雪夜が私の標的相手だというのに。
「今日はどんな夜にしようか?」
甘く誘うように言った後、雪夜は妖艶に笑った。



