「あの日は殺せって言ったくせに」
「だから俺の命は静音のもん」

「なに、そんな重いこと言わないで……あ」


リボンをほどき、ボタンを外してきた涼雅が首筋にキスを落としてきた。

私との会話なんてそっちのけだ。



「毎日毎日飽きないね」
「感じてるやつが言うな」

「なっ……!やっぱ触らないで!」
「静音に尽くすため、これから生きる」


そう言えば許されると思って。
思わず口を閉じてしまう私を見て笑う。

そしてまた唇を重ね合わせてきた。


涼雅との時間は驚くほど甘くて。
クラクラして。

やっぱりクセになる。
涼雅だけでなく、私だって飽きないのだ。



「なあ」

半分脱がされたところで涼雅が満足し、私から離れる。


「何」

けれど力の抜けた私はすぐ動くことはできず、横になったまま返事をした。


「前にさ、静音…俺の母親も秋崎も殺さずに捕らえるって言ったけど、本当にそれでいいのか?」



一週間ぶりにしたこの話。

本人はもう苦しんでいる表情ではなく、真剣なものだった。