「ん、待って…」

目の前にいる男はまるで、獣のようだ。
野性的で危険である。


私が止めようが関係なく、ついにはベッドの上に押し倒してきた。



真実を知ってから一週間が経った。
私を押し倒したのは他でもない、涼雅である。


「まだ着替えてないでしょ」
「……ああ」

「なんでいきなり押し倒すの」


ため息をつくしかない。

なぜなら涼雅の部屋に着くなり、いきなりキスをしてきて。


あの日からずっと積極的な涼雅。

とはいえ体を重ねることはしていないのだが、今のようにキスばかりしてくる。


唇に限らず、体の至る所に。
自分のものだと言っているようだ。



「毎日静音のことしか考えられねぇ」


一週間前の涼雅はまるで子供だった。
しばらくは泣き続け、最終的には疲れて眠ってしまうほど。

それぐらい泣いたということなのだが、次に目が覚めた時はもう弱い姿なんてなかった。



その代わり今みたいな積極的な彼が存在している。