「なんで、お前はっ…」
「涼雅がいたから」

「……っ」

「涼雅だけじゃない、祐樹にだって支えられて。
私たち───」


今にも泣いてしまいそうな涼雅の背中に手をまわし。
そっと優しく抱きしめた。

壊れないように。
脆くて壊れそうな彼を。


「ひとりじゃないんだよ」

寂しさを埋めあって、苦しみを分け合って。
孤独なんてもの消せばいい。



涼雅の肩が小さく震わせながら。
私にぎゅっと抱きついてきた。

そんな彼は子供みたいに小さく感じて。


涼雅の頭を撫でながら、ふと祐樹に視線を向ける。
するとバチっと目が合った。



そしてどちらからともなく笑う。
目を細め、ふふっと小さく笑った。


「やっぱ涼雅は泣き虫なんだな」
「……あ、そんなこと言わない」

冗談っぽく話しながら、祐樹も立ち上がり。
銀色の涼雅の髪をわしゃわしゃした。


変な感じ。
今はずっと祐樹のほうが大人っぽく見える。


「やっぱ涼雅には静がいないといけないんだな」
「……え」


祐樹は手の動きを止め、寂しそうに目を細めた。