危険な愛に侵されて。




今目の前にいる涼雅は、私の知っている彼だったから。


思わずぎゅっと、涼雅に抱きついてしまう。

だって怖かったから。
彼に何かあったんじゃないかって。


自殺未遂に追い込まれるほど、辛いことがあったんじゃないかって。



「……祐樹のいる前で、何してんだよ」

呆れたような口調。
けれど声はすごく優しい。



「バカ…」

泣いたらダメだとわかっているのに。
自然と目から涙が溢れてしまった。



「ほら、何も泣くことないだろ」
「連絡のひとつくらい寄越してもいいでしょ…!」

「ああ、そうだな。
今、静音見て安心してる」


少し後悔の念が感じられて、ぱっと顔を上げる。
相変わらず涼雅は柔らかな表情を浮かべていて。


「やっぱ自分で死んだら逃げてるみたいだから」

ドクンと、心臓が大きな音を立て。
思わず目を見開く。


───今、涼雅はなんて言った?