それほどに俊二さんが大好きで。
だからこそ母親に耐えられたのかもしれない。
逆にそれが原因で暴力は悪化するばかりだったのだろうけれど。
もし“なんで気づいてくれないんだ”と思い、俊二さんを恨んでいたら。
今まで俊二さんと一緒に過ごしていないだろう。
恨んで、同じ組の道を歩まなかったと思う。
「だからどうか自分を責めないでください。涼雅はいつも、俊二さんの話をする時は幸せそうでした。
今はもう高校生になって、それを口にするのが恥ずかしいのかもしれませんが」
これは慰めの言葉なんかじゃない。
あくまで“事実”を話しているだけ。
「……いつも俺は涼雅を救えない。目が覚めたら『クソ親父』とでも罵ってくれないだろうか。
いつまでも俺は弱い父親だ」
「それを決めるのは涼雅です」
お互い苦笑して、少し目を潤ませている俊二さんも最後に祐樹に挨拶をして部屋を出た。
俊二さんが自分を責めるほど、涼雅は“弱い父親”と思っていない。
むしろ尊敬している気がする。
『いつか父親越えることが目標だな』
俊二さんの背中を追いかける、いつの日かの涼雅の言葉が脳裏をよぎった───



