危険な愛に侵されて。





少し引っかかることがあるとすれば、“無事”という言い方で。



「怪我を負ったのですか?」


恐る恐る聞いてみる。

危険な状態であるとは言って欲しくない、そう願いながら。



「まあ少し怪我を負いましたが…」

ほんの一瞬。
宮木さんの声が震えた気がした。

ここから先は、軽い気持ちで聞いてはいけない気がして───



「雪夜様は自殺を試みておりました」



けれど私の予想していた言葉をはるかに超えていて。
目を見張り、息をするのを忘れてしまう。

“自殺”


その言葉が心に重くのしかかる。



「……っ、ど、して…」


どうして自殺なんか。
どうして?

何かあったのかわからないけれど、何もないのに自殺なんてするわけがない。



「幸い、神田様がそれを見つけたため未遂になりましたが……今の雪夜様は大変危険です。

そのため急いで御園様をお呼びしました」


いつになく暗い声。
只事ではないということは十分伝わっていた。