危険な愛に侵されて。




「……未央、ちゃん?」

嫌な予感が増していく。
ドクドクと、脈打つ鼓動が速くなる。


「……あ、は、早く、行かないと…」

焦る様子の未央ちゃんは、言葉に詰まっているようで。



「御園様、今すぐ車にお乗りください。
今は時間がありません、とにかく渡辺様もご一緒に」


一度祐樹とも接触しているからだろう。
宮木さんは彼のことも覚えていたようで。

とにかくふたり、戸惑いながらも後部座席へと乗り込む。


車内はひどく暗い空気に包まれていた。
妙に緊張感が走っている。

聞きたい。
涼雅に何かあったのかと。


けれど容易に聞くことはできなかった。



「……御園様」

嫌な沈黙が流れる中、それを破ったのは宮木さんだった。


「はい」

少し緊張しながらも、返事をして反応を示す。
すると宮木さんはトーンを変えず、静かに話し始めた。



「まずはじめに言いますが、雪夜様は“無事”です」



涼雅は無事───


その言葉を聞いて安心した私は、全身の力が抜けた気がした。