1日目は別に良かった。
神田が『こういう時はザラにある』と言っていたから。

2日目だって何とか乗り越えられたけれど。
どんどん膨らんでいく不安は拭えなくて。



「静、最近元気ないけど大丈夫か?」

学校に着くなり、心配そうな顔をして祐樹に声をかけられたのが行方が途絶えた3日目のことである。



「……え」
「涼雅、何かあったのか?」

少し控えめに聞かれたけれど、うまく答えることができない。


“何かあった”と思いたくなかったからだ。



「わからない」
「……は?」

「わからないよ…」


半分泣きそうになりながら、祐樹に零す本音。



「涼雅に何かあったら、どうしよう…」


すると泣きそうになる私の腕を引いて、教室を後にしてしまう祐樹。

もうすぐで授業が始まるというのに、一体どこにいくのか。



「祐樹、どこに」
「保健室。静、寝不足だろ」

指摘されてギクッとなる。
確かにこの三日間、ろくに寝ていない。