その日から冬休みが終わるまで、私たちは何度も交わした。

幸せだった、何もかも。
心まで綺麗に浄化されていくようで。


涼雅のすべてに魅了され、クラクラして。
けれど冬休みが明ける前日に。


「じゃあ行ってくる」
「うん。無理して命を危険になんて晒さないでね」


明日から学校だというのに、緊急任務が入ったらしい涼雅。

そのため冬休み最終日はひとりで過ごすことが決定した。



「そんな簡単に死なねぇよ」
「死に急ぎそうだけどね」

「バカか。俺を舐めんな」


軽くチョップされたかと思うと、痛いと私が言う前に今度は唇を塞いできて。


「……っ」


結局私が照れてしまって終わる。



「じゃあな。
なるべく早く帰るから」

「べ、別に帰ってこなくてもいいから!」


ついムキになってそんなことを言ってしまったけれど。


笑って流され。
それでこの話が終わった、と思っていた。


だから誰も、涼雅が帰ってこないだなんて思ってすらいなくて───