油断したら泣いてしまいそうなため、慌てて彼女を抱きしめ返した。
「白野、お前が言っていいセリフじゃねぇだろ」
せっかくいい雰囲気だったのに、構わずそれを壊してきたのは雪夜である。
「むっ、涼雅くんは黙ってて」
「御園がお前に頼らなくてもいいくらい、俺が支えるっての」
相変わらずふたりは言い合う関係であるけれど。
今の言葉には、胸が高鳴らずにいられない。
「いくぞ」
「あ、ちょ…まっ」
まだ未央ちゃんと話が終わっていないというのに、腕を引いて強制終了してくる雪夜。
強引に部屋まで連れてこられてしまった。
「もー、人が話してる途中で…本当に空気読めないよね」
未央ちゃんだけでなく、神田の過去を知ったことや雪夜のおかげもあり心が軽くなった私。
そのためいつもの調子で雪夜に声をかけることができた。
「お前だって俺の気持ち一切無視だろ」
何やら自分の和服の袖をいじり始める雪夜。
そして袖の奥に隠していた拳銃を取り出した。
「……いらなかったみてぇだな」
「うん。平和に終わって良かったよ」
タンスに拳銃を戻す雪夜に対し、私はベッドに腰を下ろした。



