「でも雪夜を殺すことに失敗してから、秋崎さんからの連絡はない。必要ならあげるよ、連絡先。
もう変えてる恐れだってあるけどね」
すべて話終われば、静かになる部屋。
未央ちゃんに至っては声が出ないようで。
純粋な彼女には少し刺激の強い話だったかもしれない。
「……御園さん、話してくれてありがとう」
ゆっくりと神田に視線を向ければ、彼は優しく微笑んだ。
今はその笑顔に胸が苦しくなり、怖さなんて微塵も感じられない。
「どうやら秋崎さんは、涼雅を狙っているようだね」
「……恐らくな」
「え…」
そこまで深く考えていなかった私は、今の神田の言葉ではっとして。
彼がそのように話した理由を頭の中で考える。
「じゃあ、秋崎さんは…」
「多分拓哉は殺せねぇけど俺ならいけるとでも思ったんだろ。俺を殺せれば、少しくらい組にダメージ与えられるだろうし」
「少しじゃないよ、大ダメージだよ」
あくまで冷静な雪夜と神田。
ここでは命を狙われることが“当たり前”の環境らしい。
「とりあえず今は秋崎さんの行方を追うことが最優先だね」
話を終えた時にはもう、神田はいつも通りになっていた。
立ち直りが早いのか。
それとも切り替えが早いのかはわからなかったけれど───



