「私の両親に少し関わりがあると言った秋崎さんが目の前に現れた。私に手を差し伸べて、“一緒に復讐しないか”って。
迷いなんかなかった。だって自分の両親を殺した相手を、自ら殺めるチャンスだったから」
けれど私は神田ほど器用な人間ではないため。
ふつふつと憎悪だけが湧き上がる。
そんな私を止めるかのように、左に座る雪夜が手をぎゅっと握ってきた。
“自分を見失うな”
そういう意思が込められているような気がして。
私は憎しみの感情をまた心の奥に閉まって話を続けた。
「だからなんでもできたの。秋崎さんは裏の社会のことを知り尽くしていたから、頼りになった恩師。
今の私がいるのは秋崎さんのおかげ。何度も体を重ねたし、殺しの技術も教えてもらった」
結果、こんな汚い人間がいる。
「それで高校2年の秋の終わりに、私の両親を殺した相手を言われたの。
それが雪夜だよ。雪夜が参加するパーティーのことも秋崎さんは知っていた」
もしあそこで雪夜を殺めていたら?
私はとんでもない過ちを犯していたことになる。



