「あ、バイバイ静音!」
「咲ちゃん久しぶりだね!今度遊ぼう」


最後に1年の委員会時に仲良くなった友達に声をかけられた後、ようやく移動教室などが設置されている4階へとやって来れた。


「……人気者は大変だな」
「そう?沢山の子と仲良くなれて嬉しいし楽しいよ!」


一応表の自分を作る。

本心を露わにしてしまえば、きっと雪夜に突っかかってしまうことだろう。



「どの口が言うんだか」

「……まずここが被服室ね。あ、被服室って何やる場所か知ってる?」


イラッときた。
その呆れたような口調に。

つい表の自分を装い、嫌味に近いことを言ってしまった。


「あー、なんだっけな?さっきの続きをする場所か?」

「……消えろ」


つい我慢しきれなくて、本心を言葉にしてしまう。
ダメだ、私。

ここでイラついて暴言を吐いてしまったらいけない。


あくまで女子高生の私を演じなければいけないのだ。