にこっと優しい笑みを浮かべ。
視界へ入る位置に神田はいた。
スーツ姿の神田のことを、誰が高校生と思うだろうか。
「神田様」
「もしかして御園さんを見張ってくれていたのですか?」
あくまで静かな口調だったけれど。
空気がビリビリ響くような気がした。
「それならありがとうございます。ちょうどこれから御園さんには話があって捕らえようと思っていたところです」
“捕らえる”
その言葉に思わず身震いした。
全身に襲ったのは恐怖。
「神田様、それはいけません」
けれど宮木さんはハッキリ否定した。
私を捕らえてはいけないと。
「……宮木さん、それは本気で言っているのですか」
凍てつくような空気。
柔らかな口調なはずなのに、神田の声はとても冷たい。
一瞬宮木さんが怯んだ気がした。
狂気だと思っていたはずの宮木さんですら、神田に太刀打ちできないのかもしれない。
「組長の命令でございます。
誰も命の危険に晒すな、と」
「それは“神田組の一員”である人たちのことです」
さらっと私は仲間ではないと言い切った神田。
別に仲間意識があったわけではないけれど、即答してしまう彼に少し胸が痛んだのは確かだった。



