危険な愛に侵されて。




指定された場所はパーティー会場のため、ドレスを身に纏い化粧をする。

きっと今の私を見て、誰も高校生だとは思わないだろう。


もう私は子供じゃない。

体がどれだけ汚れようとも、この日の復讐のためなら別になんでも良かった。


平気だった。


「雪夜涼雅。絶対に、私がこの手で…」


拳銃だと音が目立つしバレてしまう恐れがあるため、折りたたみ式のナイフをドレスの内に隠す。

正確には太ももに巻きつけるのだ。


これで相手の喉を狙う。
悲鳴を上げさせる前に、次は急所を狙えば終わり。

正直命を奪うのは今回が初めてで、むしろ最初で最後のことだ。


人の命を奪うなんてことは許されるはずがない。

けれど今回だけはどうか許して欲しいと、神様に願う。



私の両親を殺した犯人に復讐して何が悪い?


ずっと孤独だった。

小さい頃に両親が亡くなってしまい、孤独との闘いだったのだ。


目に涙が浮かびそうだったため、それを隠すように派手なネックレスをつけて準備を終えた私。

そしてブランドバッグを持ち、外へと出てパーティー会場へと向かう。