「焦ってる」
「あ、あんたが追い詰めてくるから…!」
「お前が腹立つようなこと言うから悪いんだろ」
別にそこまで怒らせるつもりで言ったわけではない。
勝手に苛立っているだけだ。
「そこまで怒ること言ってない」
「その自覚がないのが余計腹立つ」
「はぁ?何言って」
「お前は一生俺のもんなんだよ」
そう言って頬を撫でられる。
その手つきがやらしい気がして嫌な予感しかしない。
それなのに触れられた部分は熱を帯びてしまい、逆効果だろう。
「み、宮木さんがいる前で何して」
「別に宮木は気にしてねぇよ」
「私が気にするの!」
その時ふとミラー越しに宮木さんと目が合って。
このチャンスを逃すまいと必死で目で訴えるのだけれど、気の毒そうな苦笑いを浮かべられるだけで終わってしまった。
どうやら雪夜の好き勝手にやらせるつもりらしい。
「待って、わかったから。
私は雪夜のものだからね!」
「そんな投げやりな言葉はいらねぇよ」
じゃあどうすればいいのだ。
今の私には、雪夜のものだと認める他ないというのに。



