「まあでも、未央ちゃんが大好きって気持ちは伝わってくるね」
神田が怖いのに変わりはないが、未央ちゃんをどれほど想っているのかは十分伝わってきた。
「あそこは喧嘩したりすれ違っても別れないだろうな。まず拓哉が離さねぇだろうし」
「それはわかるかも。逆にあんたと私は時間の問題ね」
別に本気で言ったつもりはなく。
少し冗談のつもりで口にしたのが悪かった。
「へぇ、お前はそう思ってるんだ?」
いつもの危険なスイッチを入れてしまったらしい。
何かを企んでいるような笑みを浮かべられる。
「一応無理矢理あんたのものにされたんで」
なんて言いながら、今はもう不服に思っていない。
むしろ雪夜の過去の傷を癒せたらとすら思っている。
けれど未だに私は雪夜との過去を思い出したとは言えずにいた。
「なら今も嫌なのに俺のそばにいるんだな」
「……っ、落ち着いて」
雪夜が悪そうな笑みを浮かべたかと思うと、私との距離を詰めてきたため反射的に避ける。
けれどこの狭い車内に逃げ場などなく。
あっという間に隅へと追いやられた。



