危険な愛に侵されて。




とりあえず部屋を出て、未央ちゃんのいる場所へと向かう。

空き部屋にいると神田が言っていたため、いくつかある空き部屋をまわっていると彼女の姿があった。


壁にピタリと背中をつけ、隅のほうでうずくまっている。

せっかくかわいい未央ちゃんに似合うドレスが、シワになってしまうかもしれないというのに。


「……未央ちゃん」

私が名前を呼べば、彼女はビクッと肩を跳ねらせて。
怯えた子供のようだ。


「静音ちゃ……私、無理だよ…」


肩を震わせている彼女は、泣くのを我慢しているのか。

それともすでに泣いているのか。


それはわからなかったけれどマイナスに陥っていることは確かだ。


「何が無理なの?」

なるべく刺激しないよう、優しい声で話し。
彼女のすぐそばで私も腰をおろす。



「神田くんに、見合わないっ……静音ちゃんみたいに、綺麗じゃなくて」


それほどに“綺麗”を求めないといけないのか。
彼女には彼女しかない良さがあるというのに。