「いや、拓哉より御園が行ったほうがいいと思うけどな」
「……どうして?」
「女同士でしか話せねぇこともあるだろ」
本当に雪夜は人のことをよくわかっている。
それは感情を読み取るだけでなく、その後の判断もだ。
逆に神田はそこが疎い。
「……わかった。じゃあ御園さん、未央お願いしていい?多分空き部屋にいるだろうから」
少し考え込み、渋々に近い様子で私に任せることを決めた神田。
“若頭の女”という肩書きは荷が重いに決まっている。
そのため少しでもプレッシャーを和らげてあげないといけない。
私は神田の言葉に対し、迷わず頷けば───
「ありがとう。話が終われば俺のところに来るよう伝えてほしい。これ以上不安にさせるわけにはいかないからね」
またゾクリとした。
まるで獣のようなその表情。
野生的で、時折見せる雪夜の危ない姿に似ている。
未央ちゃんのことになると、ここまで感情が揺るがされるのか。
神田をこうさせた彼女が恐ろしい。



