慌てて雪夜から離れ、ナイフを太ももに巻きつけたのを手で確認しドレスで隠す。
「もうすぐ移動するけど、準備終わった?」
そして中に入ってきたのはもちろん神田と、それから───
「何これ、かわいい……」
思わず声に出してしまうほど、かわいい未央ちゃんの姿だった。
ピンクのドレスを身に纏っている未央ちゃんは少しメイクもしており。
いつもよりさらにふわふわとした天使のイメージが出来上がっている。
本当にかわいい。
なんだこの生き物は。
けれど未央ちゃんは私を見るなりピタリと固まってしまう。
さらには神田も少し目を見張っており、何か変かなと思っていたら───
「……っ」
突然未央ちゃんが目にいっぱい涙を溜めたかと思うと、泣き出してしまった。
「え、み、未央ちゃん…!?」
「ご、めんなさ…」
そして泣きながら部屋を突然出て行ってしまう。
「え、どうして?
雪夜、なにかしたの!?」
「どう考えてもお前見て泣いたんだろ」
「私なにもしてな…」
「子供っぽい自分が嫌になったとかだろうな。
関係ねぇのに」
そこまで聞いてようやく理解した。
確かに未央ちゃんはふわふわしていて、純粋で幼い。
かわいい系である。
だからといって別に大人に魅せる必要はないし、それが彼女らしさなのだ。
それに私に至っては、化粧や服装でそれを隠しているだけであって。



