しかも今日は私と雪夜だけではないため、この広々とした和室にやってきたのだ。

もちろん相手は神田と未央ちゃんで。


まだふたりとも来ていないけれど、いつ来るかもわからないというのに。


「うるせぇ、じっとしてろ」
「はぁ!?本気で離れ……ひゃっ」


なんということだろうか。
私が暴れると雪夜は耳に噛み付いてきたのだ。

思わず変な声が出てしまい、慌てて自分の口元を手で覆う。


「や、め…」
「そんな風に大人しくしておけばいいんだよ」


満足そうな雪夜の声。
それからまた私にぎゅっと抱きついてきた。

ここ最近、さらに甘えたがりになった気がする。


その上私は雪夜に触れられるたび、胸がドキドキ高鳴ってしまうのだから私の気持ちも考えてほしい。


だから嫌なのだ。

雪夜と一緒にいたいと思う気持ち以上に、ドキドキしてしまうため。


自分が自分じゃなくなりそうで、おかしくなってしまいそうだから。