「実は嫉妬してたの?」
さっきはあれほど落ち着きがあったと言うのに、今は不機嫌オーラ丸出しの彼。
実は我慢していたのかなって。
「ムカついて当然だろ。
他の男に手出されやがって」
「黙って見てたくせに」
というか気づけばいなくなっていた。
「どうせ間に合わなかっただろ」
「ふーん、所詮そんなものか」
「……は」
「いいの?私、勝手に他の男になびいちゃうけど」
なんだか立場が逆転した気分だ。
やられっぱなしは悔しいため、ある意味仕返し。
もちろん他の男になびくつもりはないけれど。
自分の中で“一応”雪夜のものだからという言い訳をしながら。
「へぇ、この状況でそんなこと言う余裕あんだ?」
けれど、どうやら雪夜を刺激しすぎたらしく。
私の指に自分の指を絡ませるようにして手を重ね合わせてきた。
「……っ、ストップ」
しまったと思った時にはもう私の手はベッドに押し付けられていた。
「やりすぎたな」
焦りが伝わってしまったようで、ニヤリと悪そうな笑みに変わる雪夜。
その姿すらもかっこいいと思ってしまい、ドキッとしてしまったのは内緒。



